「3か月前、ほぼゼロからイラストを描き始めた被検体Aの話」




前回の記事「FF11の一度はやってみたかった ~その28~ 描画AIはBattering Ramの夢を見るか?」の最後の場面を覚えているだろうか。







描画AIの再現度を上げるために、元絵のクオリティーを上げようと、自らも絵を練習することになったが・・・・


1時間目:おれは人間がわからない!!(11月の記録)


いきなり、デビルマンあたりで叫ばれてそうなメッセージですが、
まともに人間を描いたことが無いので、どうすれば人間が描けるかわかりません。


いまの自分の人間の認識はこの程度。
あまりに絵に苦手意識があったため、落書きすらしてこなかった。

嗚呼!!人間・・・・・・人間とは・・・!!!


人間の在り様に苦悩しながら本屋に寄ったところ
「イラスト解体新書」
なる本が売っている。



ターヘルアナトミア!!!我に、、、我に人間が何かご教示してください!!!


本を読み進めていくと・・・・・・



「人間って・・・・・・描き方にルールがあるのか・・・!!」

正直なところ、イラストは才能とセンスのみで生み出す魔法なんだと思っていた。 なので自分には関係ないのだと。マグルはイラストなんか描かないで、おとなしくホグワーツレガシーでもやってろと、そういうものかと思っていたのである。

しかし、その本に書かれていたのは、描ける人にとってはあたり前であるが、
自分にとっては大地が裂け、海が割れ、空から光線が降り注ぐぐらい衝撃的だったのである。

「一定のルールがある・・・!!」

まずはここからスタートだ・・・!!!




2時間目:おれはまだ人間がわからない!!(11月の記録2)


戦いは続いていた。

こうか!?

いやこうなのか!?

脳では解体新書は理解できるが、体が理解していない!!!

このまま出来損ないの機械生命体のパーツを生み出し続けても、心が持たない気がする・・・ ここはひとつ、わんぱくでもいい・・・たくましい完成品を作り出せなければ、未来が無い・・・!!



こうして生み出されたのが「何かを案内するアシェラ」である。
・棒立ちは味気ないので、ポーズを取ってみる
・人間に影を入れてみる

人間か人間じゃないかと言われれば、なんとか人間寄りのような気もする・・・・・・


3時間目:退路を断ちやがれ!!!(12月の記録)


12月に入ると新たなる悩みが出て来た・・・!!!

ノートPCと、メルカリで1,500円くらいで買った謎のスタイラスペンを使っていたのだが、これがまた使いにくい!!!滑りまくって、そもそも真っすぐな線が描けない!!

そうなると、こんな感じの液タブが良さそうなものに見えてくる・・・・・・。

しかし、お前のような駆け出し戦士は、競売で買ったスパタでも使っておれという 心の声も聞こえる・・・・・・

あれ、昔は8万くらいしてたような液タブが、今は2万くらいからあるのか・・・・・・





やっちまった!!!もう後戻りはできない!!!

家に怪しいデバイスが加わったため、小学生の娘が異変を嗅ぎつけてくる。

「父ちゃんなんだこれは?」

これはな・・・父ちゃんは絵をこれから描くのだ・・・
正直に言うと、昔から絵が描けないのをちょっと残念に思っていたのだ・・・

だが、ワイはこれから10年かけてイラストの1つでも描けるように
修行をするのだ・・・!!

「よーし、私も時間ができたら絵の勉強をしよう!」



若者がマジでやるとすぐ上手くなるんだろうなあ。



「子ミスラ」
・色を使ってみる
・正面以外から描いてみる

「ミスラの親子」
・2人以上描いてみる

「アシェラ」
・目とか髪をもっと手をいれてみる
・座ったポーズを描いてみる

「ミスラ」
・ちょっとEROSな感じにならないか試してみる
・背景めいたものを描いてみる




4時間目:恐ろしいことに気付く(1月の記録)


ここまで2か月絵を描いてみて気づいたことがあった。

一つは、ものすごく奥深く、面白いということ。
素敵なイラストに対して、ワイはどこにその素敵さを感じているのだろうと考えるようになった。今まで見ていたイラストが何倍にも楽しめる。これはお得である。単にAIで絵を作り出すことでは味わえない領域のものであろう。

もう一つは、自分の中で完成した!と思っても、しばらく経つと全然満足できなくなっていること。なんだろうこれは?自分ではやり切ったと思っていても、それは幻であるという・・・・・・

絵を描くということはこんなに恐ろしいものを抱えながらやっているのか・・・
自分は本業でも副業でもないので、ありがたいことに、ただ楽しいだけである。



この前描いてみた背景は、なんだか気の抜けたルートビアみたいだった・・・
いっそのこと、でかい建造物を描いてみたくなった。
そんな時はトゥー・リアである。

真面目にパースを使ってみる。そういえば高校??の美術でやったような・・・??

「トゥー・リア」
・パースを使った背景を描いてみる

・人間以外も描いてみる

・夜を描いてみる


5時間目:ひさびさにAIを通してみる(2月の記録)


絵を描き始めて3か月が経った。

・複雑な衣装を描いてみる

・もっと動きがあるポーズを描いてみる

壊れかけの機械生命体製造機から少し脱却したような気がするが、「完全に理解した曲線」では、今この辺りなのであろう。

ほぼゼロから絵を描き始めてから3か月たったので、ひさびさにAIのimg2imgを試してみた。

最初はこんな感じだった。

今はこんな感じである。参考にはなるが、もうただimg2imgするだけでは満足できなくなっている。

もはやAIに精度の高い絵を出してもらうという目的は失われている。AIはさらに進化し、近年ではloraによる追加学習、Controlnetによるポーズ指定などの新たなる技術が出てきている。だが、なぜだろう、それどころか、絵を描くことを不思議とやめることができなくなっている。絵を描くということは、おそるべき沼ジャンルだったのである。だからみんな・・・あんなに苦しみながら絵を描いているのか・・・・・・だめだ・・・新たにこれを始めてはいけない・・・・・・かゆ・・・うま・・・・・・


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