■ イレブン爺さんとPOL

夏休み。

ロランベリーの奥地に住む、内藤爺さんのところへ
今年もジラート君とプロマシアちゃんが
遊びにやって来ました。

内藤爺さんは語り部として村の中でも
一目置かれています。

さてはて、いったいどんなお話が飛び出すのでしょうか?

■第一部

伝説は、こう始まる。
全ての起こりは「ミレニアム」だったのだ、と

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内藤爺さん(72)

ジラート

プロマシアちゃん

こんな感じでひとつヨロシク。(何を?)

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ジラートプロマシア:「爺ちゃん、こんにちは!」

内藤爺:「おおう、よく来たのう~」

ジラート:「ねぇねぇ爺ちゃん。また何かお話してよ!」

内藤爺:「まぁそう急くでない。そうさなぁ・・・・・・またワシの内藤列伝でも」

プロマシア:「えーーー!それって何回目ー?あたし飽きた」

内藤爺:「(ガーン)・・・・・・そ、そうじゃな・・・。では・・・とっておきの話をしよう」

ジラート:「ホント!?」

プロマシア:「やっと、この意味の無い前フリも終わるのね!!」

内藤爺:「・・・プロマシアも口が悪くなったのう・・・。」

内藤爺:
「さて・・・今日は、お前達が生まれるずっと前。
お前達のお母さんのイレブンさんの話じゃ」

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■ミレニアムがやってきた!

内藤爺:
「時は西暦2000年1月。
恐怖の闇王は降臨せずに、MMRバッシングも一段落したころじゃ」

ジラート:「2000年っていっても、何があったかわからないよー」

内藤爺:
PS2が出る前じゃ。PS2はこの年の3月に発売されたからのぅ。
SQUAREについて言うとまだFF9が出る前じゃった。」

内藤爺:
「SQUAREは『スクウェア・ミレニアム』というイベントを開催した。
つまり、展示会じゃな。『一般ユーザー5000人招待』という大規模なものじゃった」

プロマシア:「どーせ新作FFの発表でもしたんでしょ?」

内藤爺:
「そう。FF9・FF10・FF11の三作同時にな」

ジラート:「!」

内藤爺:
「FF9はすでにこの時までに今夏発売とされていたので、発表・・・というよりは完成試写会じゃな。 この半年後、2000年7月7日に発売されたわけだ」

プロマシア:「FF10は?まだPS2すら発売されてなかったんでしょ?」

内藤爺:
「あぁ。早くに情報を出しただけあってFF10は製品版とは大分違っていたんじゃ」

*ロゴも製品版と異なっていた

ジラート:「ワーオ!T田の髪は黒かったんだね!」

プロマシア:「背景が貧相ね」

内藤爺:「発売する1年半前じゃらからのう・・・。
2001年春発売予定だったが、実際は2001年7月19日じゃった。
しかしここで重要なのはT田の髪の色でも、背景でもないんじゃ」

内藤爺:「この『攻略』というメニューをポチッと押すと・・・」

ジラート:「え?これは・・・・・・『PlayOnline』・・・FF10で?」

内藤爺:「そうじゃ。PlayOnlineについてはまた後で述べよう」

内藤爺:「そしてこれが・・・・・・」

内藤爺:「イレブンさんの若かりし頃じゃ。どうじゃ?」

ジラート:「ワーーォ!若いな母さん」

プロマシア:「ていうか、殆ど何も出来てないじゃないの」

内藤爺:
「・・・3作先の話だからのう・・・。この当時の発売予定は2001年夏であった。
誰もが思ったとおり『無理?』な話であった」

ジラート:「実際は2002年5月16日だから・・・発表から2年半くらいかかったんだね」

プロマシア:「まあ発売日なんてとりあえず言っておけばいいのよ。」

内藤爺・ジラート:「・・・・・・。」

内藤爺:
「ゲーム自体の製作だけでなく、インフラ整備やサーバ構成・保守など
通常のゲームにはない初めての挑戦だったので、普通のFFより時間がかかったわけじゃな・・・」

内藤爺:
「映画FFの話も出て、SQUAREはこれから黄金期に向かっていくんではないか?
と多くの人が思ったに違いない」

ジラート:「でも実際は・・・・・・」

プロマシア:「兵どもが夢のあt・・・むぐっ!何すんのよ!!」

ジラート:「止めて!!それ以上言うと爺ちゃんが危ない気がするんだ!!」

内藤爺:
「・・・ハァハァ・・・・・・危うく天寿を全うするとこじゃった・・・。
言葉に気をつけなさい・・・プロマシア
私達はアルタナの加護を受けているのじゃから、滅多な事を言うものではない。

みな一生懸命に走った(はず)なのじゃから・・・」

つづく

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※資料

・ffxposed(海外)

・impress

※注
文字通り『語り部』です。他意はありませんのでいろいろご容赦下さい。
あと内藤爺さんはボケが始まっていますので、明らかな間違いがあった場合は
お手数ですがご指摘下さい。

---------------予定--------------

■第二部

そしていつか、祝福されたPlayOnlineに、
大いなる災いが満ちようとしていた。

罪なきものがリストラされ、
世界は諦めと
絶望におおわれるだろう。

■こんなところにPlayOnline

内藤爺:
「これを見てもらえば分かるように、イレブンさんより先に
PlayOnlineは形になってきていたのじゃ」

ジラート:「10ではどうする予定だったの?」

内藤爺:「主に攻略情報の提供を考えていたらしい、例えば・・・」

内藤爺:「こんな感じでな」

プロマシア:「他にも何か出来そうね」

内藤爺:
「攻略情報だけでなく、追加クエスト・アイテム等をダウンロードしてPlayOnlineユーザー
だけのアドバンテージがあるようにしたかったんじゃろうが・・・・・・」

ジラート:「間に合わなかった・・・・・・?」

内藤爺:「まぁPOLの仕様が固まらなかったのと、ダウンロード先のPS2専用のハードディスクを展開するのに時間がかかったからではないかのう」

プロマシア:「まだ10の時代では早すぎたのね。早い段階で削除されてたわね」

内藤爺:「そう。知っての通り、FF10はオフライン専用となった。」

■壮大なるPlayOnlineの世界

プロマシア:「壮大なる・・・って、イレブン母さんに会うためだけの手段じゃないの?」

ジラート:「僕聞いた事あるよ!本当はもっとスゴイ物になるはずだった、って」

内藤爺:
「ほうほう、よく知っておるのぅ。確かにPlayOnlineはお前達がいま目にしているものより
もっと壮大な物になるはずだったんじゃ」

*初期イメージ

ジラート:「これは・・・?」

*インターネットも利用可能

プロマシア:「これって・・・『PlayOnline』なの?」

内藤爺:「あぁそうじゃ。これはあくまでもイメージじゃがな」

内藤爺:「SQUAREはeコマース・eディストリビューションに参入しようとしていたんじゃ」

ジラート:「eコマース?eディストリビューション?

プロマシア
「今じゃあたり前だけど、ネット上で商品を買うようにできたり、音楽とか、漫画とかを多くの人に配布することができる仕組みをそう呼んでいたのよ」

内藤爺:
「そう。『Manga』というファイルを、PlayOnlineビュワーをヴァージョンアップすると時々目にするじゃろう。おそらくあれはこの時の名残じゃな」

内藤爺:
「SQUAREは集英社と手を組んでいたので、ジャンプ等をPlayOnline上で買って見ることができるようにしたり、そんな感じのことを考えていたんじゃろう。ストーリをユーザーの選択によって分岐させたり、インタラクティブな物も考えていたようじゃ」

*ヒカルの碁

内藤爺:「また音楽の面でも、あのavexと組んで音楽配信を計画していたらしい」

*MUSICチャネル

内藤爺:
「SQUARE製品の流通を担っていたデジキューブは、ゲームだけでなく様々な商品を扱おうとしていたようじゃぞ」

*PS2上で商品を購入する事が可能に

内藤爺:
「この他にも、スポーツ速報を利用しそのデータをゲームに活用する、といったものまで考えていたらしいのう」

*初期のPlayOnline公式は『Sports』というコンテンツがあった

ジラート
「野球で言えば・・・昨日の試合の選手データを使って、自分が操れる・・・とか?」

内藤爺:
「野球に限らず、きっとそんな感じじゃろう。またFF10初期イメージのような、ゲーム連動の使い方もあるじゃろうな。チャット機能であったり、いまでいうDLCのようなものも構想にはあったじゃろう。PlayOnlineはインターネット時代を先取りしたプラットフォームだったのじゃ

*2000年の頃のPlayOnline公式

プロマシア:「でも、なんで今のような姿になったの?」

内藤爺:「それは・・・・・・。」

■夢、幻のごとく

内藤爺:「ここでちょっと年表を見てみよう」

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2000年01月:PlayOnline構想が発表される

2000年11月:サービス開始時期延期が決定。2001年夏から2002年春に変更

同:集英社との子会社を設立すると発表

2001年06月:スクウェア・エニックス・ナムコの三社が共同でPlayOnline運営会社を設立すると発表

2001年07月:FF10発売。PlayOnlineのデモ映像等が入ったディスクが添付される。
FF11製品版スタートが2002年3月に。

2001年07月-09月 北米・日本で映画ファイナルファンタジーが公開

2001年11月:スクウェアが過去最大の赤字となることを発表。集英社との提携を解消。PlayOnline事業計画を全面的に見直し。映画事業撤退・リストラへ。

2002年02月:最終発売日決定

※avexとの提携解消、三社体制の崩壊時期は不明

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内藤爺:「壮大なストーリーで始まったPlayOnlineじゃが・・・」

プロマシア:「発表から2年経たずに全て無かった事になったのね・・・」

ジラート:「やっぱり・・・・・・アノ映画のせいなの?」

内藤爺:
「たしかに映画『ファイナルファンタジー』の失敗で傾いたのは事実じゃ。何せ制作費がかかりすぎた。製作費160億円というのは大規模映画「ロードオブザリング」1本半分じゃからのう。興行収入を計算すると99億円赤字が出たといわれておる。

ワシも『かぶきちょう』で見たが・・・公開2週目だったにもかかわらず、客が2-3割だったのが 印象的じゃった。その翌週に打ち切られたわ」

プロマシア
「製作したスタジオはハワイにあったのよね?ハワイ州の知事さんが『ファイナルファンタジーデイ』って記念日を作ろうとしていたのは、どうなったのかしら?」

内藤爺:
「それは・・・・・・触れてはならん!
スクウェアピクチャーズは映画『ファイナルファンタジー』と、アニマトリックス内の『Final Flight of the Osiris(ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス)』の二作品を作って、スタジオごとスクウェアピクチャーズは解散したんじゃからな。」

内藤爺:
「PlayOnlineがアレ・・・になったのはもちろん映画のせいだけではなく、事業として見通しが立たなかったんじゃろうな。音楽配信、電子書籍などはAmazonやAppleが参入してからあたり前の時代になったが、それも2007年以降のことじゃ。インフラへの大規模な投資、エンドユーザーのネットワーク環境、物流、著作権やロイヤリティの問題すべてが解決されないと上手くいかないものだったんじゃ。PlayOnlineは時代がまだ追いついておらず、巨額の赤字を計上した、いちゲーム会社が抱えるにはあまりにも重すぎる夢だったのじゃ」

ジラート:「腐ってやがる・・・早すぎたんだッ!!・・・・・・ってこと?」

内藤爺:
「そうじゃな。そして不幸な時に赤字になったもんじゃ。危ないファンタジーができなくなってしまったわけじゃな・・・ まあここで下手に手を出して会社に致命的な損害を与えたら、今頃スクウェアは無くなっていたじゃろうからな・・・」

ジラート
「攻略情報もほとんどないし、PlayOnlineと連携するゲームもないし、もう何も残ってないんだね・・・・・・」

内藤爺:
「PlayOnlineβのプロデューサーだった松野氏(FF12プロデューサー)はさぞかし残念に思ったじゃないかのう・・・。しかし、これでよかったんじゃ・・・これで・・・・・・」

■忘れないで、私たちの事

内藤爺:「まぁワシの話ばっかりじゃヒマじゃろうから、絵でも見せようかのう」

*2001年夏時点でのPlayOnlineイメージ

ジラート:「うわー今とかなり違うんだね」

内藤爺:
「見ての通り、漫画やショッピングという項目があるじゃろう?この段階(2001年夏)ではまだやる気だったんじゃな」

プロマシア
「でも『音楽』の項目が無いわね・・・・・・avexはどこへいったの?『スポーツ』も無くなっているわ」

内藤爺:「それも触れてはイカンところじゃ」

*PS2のメモリーカードにデータを保存する仕組み

*漫画

プロマシア:「漫画は本当にやる気だったみたいね」

*攻略情報(例はFF9)

内藤爺:「攻略情報は・・・・・・アルタナ大全(公式サイトで公開されていた攻略情報。いつしか消滅。)を見る限りでは、やらないで正解だったみたいじゃの」

*携帯からのアクセス

内藤爺:
「携帯からのアプローチは何か考えていたようじゃ。

あとゲーセンからのアクセスも考えていたようじゃが、
こちらは完全に聞かなくなってしまったのう」

内藤爺:「・・・そうじゃ!『みそ漫画』を忘れていた!」

ジラート:「なにそれ?」

内藤爺:
「これも今や無くなったコンテンツじゃが、
漫画家の鈴木みそ先生が公式サイトに漫画を載せていた時期があった」

*今は無き 『連載XIまんが』

ジラート:「どんな内容だったの?」

内藤爺:
「環境準備編(3回)・予告編・本編(1回)の全5回だったはずじゃ。
環境準備編は名の通り、PS2のHDDを手に入れるにはどうしたらいいか?等の話じゃ」

プロマシア:「そんなもの、お店で買えばいいじゃないの」

内藤爺:
「お前達のように若いモンは知らないじゃろうが、当時PS2のHDDは店頭で売っていなかった。PlayOnline協賛プロバイダから買うしかなかったのじゃ。ということは協賛外のプロバイダに入っていると手に入らなかった」

ジラート
「なんでそんな面倒なことを?」

内藤爺:
「当時はHDDをまともに使うソフトなんてイレブンさんくらいじゃったからのう。
また生産数が少なすぎて、各地でHDD争奪バトルが繰り広げられたんじゃ。アレは今思い出しても恐ろしいわい。プレイしたくても発売日にHDDが手に入らない人間が続出したんじゃ」

プロマシア
「結果的に良かったんじゃないの。イレブン母さんの誕生日は阿鼻叫喚だったらしいし」

内藤爺:「ま、まぁ・・・よかったんだか悪かったんだか・・・・・・」

ジラート:「それで、残りのみそ漫画は?」

内藤爺:
「予告編もまた文字通り予告編じゃ。『希望に満ちたオンラインの世界へ!乞うご期待!』・・・のような感じじゃった」

ジラート:「それで、第一回はどんな話だったの!?」

内藤爺:
「予告編が公開されたのはサービス開始2ヵ月後の7月12日。予告編自体が既に遅いんじゃが、暫く音沙汰がなく・・・公開されたのはさらに2ヵ月後の9月9日じゃった。サービス開始から約4ヶ月かかったんじゃな。もう誰もが漫画のことなど忘れておった。

しかし・・・内容はほとんど愚痴じゃったな。ほとんど・・・というと語弊があるかもしれないが愚痴が一番目立ったんじゃ」

ジラート:「ぐ、愚痴って・・・・・・」

内藤爺:
「どうやら家庭事情で満足に出来なかったのが大きかったようじゃ。ま、勿論それだけじゃないんじゃが。栄えある第一回の題名が『友だちはいますか?』だからのう・・・・・・」

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-内藤爺さんの古文書-

■みそ漫画(ライブガ)No.01「友だちはいますか?」2002年9月9日更新 : 解説

1ページ目:
『あなたはもう繋がってますか?無限のオンラインワールドを』とかなんとか

2~4ページ目:
釣りをしている。そこへ複数のモンスターに追っかけられている冒険者が。
電車が繋がっているみたいだから『トレイン』と言うんですよ、といって見て見ぬフリ。

5ページ目:
6月下旬に始まるはずだった漫画が9月に延びたので
SQUAREの編集者から小言。

6-7ページ目:
倉庫キャラを作って貿易すると儲かる、と言う話。
『発売日は大変でしたね』と聞くと、先の編集者が『その話はしないで下さい。寿命が縮みます』と返す。(3日連続徹夜だったそうで)

8ページ目:
みそ氏のキャラのレベルが最近上がっていない。
プレイを子供に邪魔されるので、連続した時間が取れずに
フレンドと開くレベル差。『大人はいろいろといそがしいんだよーーー!』と叫ぶ。

9ページ目:
『子供が泣いているので数分抜けます』と言うとPTメンが引く。
それを嘆く。

10ページ目:
現在辛いジョブは『シーフ・獣使い・吟遊詩人』
狩人は銃の解禁により大人気に。
(実際、狩人の人気が出るのはもっと後。詩人はこの直後にバラードによって頂点に)

11ページ目:
ジョブバランスはバージョンアップによってすぐ変えられる。
『同時にバグ取りも出来ますしね』という厳しいツッコミが。

12ページ目:
スタッフに『Lv30くらいになるまで上げましょう!』と言われるも
『冬までにはね・・・・・・』という暗い返事を返す。

『漫画の断片はここで見れます』

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プロマシア:「これが製品版PlayOnlineで見れた最初で最後の漫画なのね・・・」

内藤爺:
「この後、鈴木みそ氏は契約を打ち切ったので(打ち切られた?)No.2が出る事は永遠に無かった。予告編とNo.1はそのまま放っておかれたが、2003年の夏・・・頃かのう?公式サイトとPlayOnlineから密かに、しかし確実に抹消されたんじゃ」

プロマシア:「イレブン母さんも『アレはプラスにならない漫画だったわね』と言ってたわ」

内藤爺:
「そうさなぁ・・・。だがワシら語り部は語り継がねばならんのじゃ。幸福も悲劇も全てな・・・」

プロマシア:「でも、今まではほとんどが悲劇だったじゃない」

ジラート・内藤爺:「・・・・・・。」

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内藤爺:
「これらの悲劇は合併への布石となった。
ENIXはコンテンツ強化を、SQUAREはマネージメントと流通力を求め、
連合軍を結成し、この終わりなき不況と戦う盟約を結んだのじゃ」

内藤爺:
「しかしもう昔の話じゃ。若い者が気にかける事ではない。
語り部の伝承として残っておればよい。塵と消えたPS2のPlayOnline構想も、PS3ではまた状況が変わってくるじゃろう
(※これを書いた2004年はそう思っていました。実際にはPS3でHDD標準搭載、PS4あたり(2013年)でコンテンツ配信が一般的になりましたね)」

内藤爺:
「さ、悲しい話はこの辺にして、イレブンさんのあの時の姿でも見てみるとするかの?」

ジラートプロマシア:「うん!」

内藤爺:
「次のはきっと、アレとしては今まで他のどの語り部達もやらなかったスケールになるはずじゃ!言うなれば・・・・・・『世界初』じゃな!フォッフォッフォッフォ!!」

プロマシア:「(またお爺ちゃんの誇大妄想がはじまったわ・・・・・・)」

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参考:
FFX 日本語版 添付ディスク
Internet Archive


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■第三部

だが、希望がないわけではない・・・・・・。
どんな嵐の夜をもつらぬき、輝いたβがある。

どんなPlayOnlineの断末魔にも消されず
流れるひとつのライブカメラがある。

内藤爺:「・・・今回は・・・ライブカメラについて語ろうと思うんじゃ」

ジラート:「ライブカメラ?」

内藤爺:「FF11公式サイトにあるじゃろ?FF11の現在の姿を中継するカメラのことじゃ」

プロマシア:「かなり昔からやってるみたいね」

内藤爺:
「そう、始まったのはFF11が発売される3ヶ月前の2002年2月。
当時はまだFF11はβテスト中だった」

ジラート:「ということは・・・βの風景を流していたの?」

内藤爺:
「あぁ、基本的にβサーバーの様子を流していた。しかしな、現在のように
自動的に動くカメラじゃなく固定カメラだったんじゃ」

プロマシア:「それじゃあ全然面白くないわね」

内藤爺:
「たしかに。しかし、SQUAREの開発者が時折カメラを移動させたり
社内サーバーにカメラを移動し、開発中の製品版を見せていた時期があったんじゃ」

ジラート:「へぇぇ、そんなことがあったんだ」

内藤爺:
「これからお前達に見せるのは、今じゃどこへ行ってもなかなか見ることのできない
β版の風景と、2002年初頭のイレブンさんの姿じゃ」

内藤爺:
「おっと、それとついでに2001年夏時点のイレブンさんの姿も見せようかのう。
こっちはFFX日本語版のボーナスディスクでいつでも見られるけどなあ」

プロマシア:「それじゃあ、スターーートォ!!!」

内藤爺:「あ、ワシのセリフ・・・・・・」

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2001年初夏のイレブンさんの姿

2002年 4月19日 21時

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内藤爺:「どうじゃ?なかなか内容てんこ盛りだったじゃろ?」

ジラートプロマシア:「Zzzzzz・・・・・・・うーん・・・・・・・Zzzzz」

内藤爺:
「ふぉっふぉっふぉ!あまりに長いので寝てしまったか!
長すぎてワシももたないところだったわい。
生意気を言ってもまだまだ子供じゃのう」

内藤爺:
「まあ、イレブンさんは一日にして成らず、といったところじゃな。
ワシの役目はこれを後世に語り継いでいく事じゃ。
また何か語るべきことがあれば、この老体の出番もあるじゃろうて」

内藤爺:
「ほほ、もう月が出てきたか。ワシも長く語りすぎたようじゃ。

そうじゃな・・・

願わくば・・・・・・このヴァナ・ディールが、長命たらんことを・・・・・・」

(おわり)

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